石田誠 器展

2017年3月18日(土)−4月2日(日)
作家在店日:18(土)・19(日)

四季が感じられるようなカラーバリエーション。
色調はやわらぎ、食卓をまた新鮮なものに
映し出してくれることでしょう。
使い手を刺激する器が今年も届きます。

紅毛手のホワイト、クリーム、ブルーに
ライトブルー。更にライトブルーより淡い
白磁。そしてチョコ、イエロー、ハニーの
ブラン系。そこにスリップウェアと
南蛮焼締が加わります。

個展前に向かう愛媛県松山市。バスを乗り
継ぎ毎年辿る道。車窓の眺めや石田さん
の工房周辺の景色に大きな変化は無く、
石田さんの焼物だけが時間の経過を知ら
せてくれるものになる工房訪問。今展が
13回目の個展となります。

バスを降りて進む山間の道は小雨で
濡れていました。緩やかに登る道の先に
石田さんの工房が見えてきます。

石田さんは轆轤の前にいらっしゃいました。そして工房にはもうお一人、
砥部で焼物をやっていらっしゃる恒岡志保さんがこの日はお手伝いを
されており、初めてお会いします。数年前から石田さんのお手伝いは
されているそうで、お二人の会話の楽しいやりとり(ちょっとしたボヤキ
もありの)から、日頃の様子も伺い知ることができました。

石田さんは砥部の磁土を使った5.5寸リム皿(#3タイプ)を制作中で、
粘土のかたまりから連続で轆轤をひいています(山びきとも棒びき
とも言うそう)。窪みを作り、円筒形にし、厚く引きあげ、見込みを作り、
高台部分を締めていきます。そして胴部を倒しながら広げ皿状に。
腕まくりもせずに黙々と轆轤に向かい、お皿は次々と並んでいきます。

石田さんがひいたお皿を恒岡さんが受け取り型打ちをします。
流れ作業もスムーズに進みコンビネーションがいいです。
:表面に振っているのは片栗粉。型から外しやすくする為だ
そうです。右のものは型打ち済みで綺麗なリムができています。
:型をのせひっくり返し、底面を手や板で叩き型に添わします。
:はみ出した縁を弓と言う道具で落し、サイズを揃えます。

さげ板にのる器の数々。高台部分など削りの工程が待っています。
去年の訪問時にこの後の作業をされていました。
その様子はこちら 2016年工房訪問記
:茶色味を帯びたピッチャーや小皿は半磁器(讃岐土との)で、
スリップウェアとなるものだそうです。
:手前は尺(30cm)サイズのお皿。焼き上がりが楽しみです!

気が抜けない工程をいくつも経て出来上がった品々です。
リム皿各種に丸皿、ハットボウル、リムボウルにポットボウル。
マグカップにピッチャー。そして碗や小付、湯呑や徳利に花器。
そしてこれまでに見ることのないお品もありました。1、2、3・・
のナンバー模様や小花柄のある器。これは「デザインにあらず」
とのことで、ある理由から必然的に生まれた模様のようです。
手に取って下さった方に石田さんがそのストーリーは語って
下さるとことでしょう。是非会場でご覧になって下さい。

石田誠 いしだまこと

1965年 愛媛県に生まれる
1988年 愛知県瀬戸市に転居
1989年 愛知県立窯業高等技術専門 
       専攻科卒
1996年 愛媛県松山市窪野町に築窯

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今の地に工房を構えられて丁度20年が経ったところだそうです。
新たな周期の入り口に立った感がおありのようで、更なる20年
そのまた先の20年を見据え、長いとも思えるその道のりにも
期待を膨らませていらした石田さん。これまでの日々が充実し
ていたからこそのことでしょう。折り返し地点の無い道を真直ぐ
に進もうとしていらっしゃるようです。。
「轆轤が一番たのしいですね。気持が落ちつきます」
今年も眼鏡の奥の目を輝かせてそうおっしゃっる石田さんです。

年季の入った電気窯。20年前、愛知から移築する際に
友人から譲り受けた窯だそうです。
趣たっぷりで美しい。油彩画のようにも見えてきます。