増田勉 陶展

2018年12月8日(土)−23(日)
*17(月)・18(火)はお休み

作家在店日:8(土)・9(日)

空間を引き締め、彫刻のようにも浮き上がる器形。伝統的な文様もモダンに映ります。
上画像のお品は口径22cm前後の籾灰釉石皿、粉引彫三島鉢、そして来待釉ボウル。
土鍋や耐熱の器なども揃い、使い勝手のよい焼物が並びます。


左:酒器と片口。1つ1つ趣の異なるお品をご覧いただけます。
中:土鍋は小さなものから8寸サイズのものまで。グラタン皿
 は7〜8寸のものとなるようです。耐熱のココットもございます。
右:様々な手と形のものをご用意下さる碗類です。こちらは
 鉄彩と刷毛目の、高台が特徴的な呉器形の碗になります。

増田さんの工房を訪ねたのは11月初旬。
以前に伺った工房は神奈川県相模原市
にありましたが、今回は長野県安曇野市
へ向かいました。増田さんはこの秋、
工房の移転をされているのです。

安曇野インターを下りた所から、増田さ
んに先導していただきます。途中、美味
しい蕎麦屋にも寄っていただきました。

幹線道路から折れ、左右雑木林の坂道に入り、うねる増田さんの車を追い、
しばらく登って行くと、待っていたのは『カナダみたいだ!』と思える風景。
空気の澄んだ北アルプスの裾野に、新たな創作の場は出来ていました。

左上:建てらればかりなのにもう景色と馴染んでいた工房。作業スペースにも
 なる広い軒下を、今は薪が占領していました。いずれ薪小屋も作られるそう。
右上:工房隣、15歩位(?)でしょうか。ナラなどの高木に囲まれたログハウス
 がお住まい。こがね色に色づいているはブナだそうです。増田さんの叔母様
 もご一緒して下さり、薪ストーブのあるお部屋で寛がせていただきました。

[ 工房訪問記 ]

工房の奥には、設置が済んだばかりだと言う、増田さん指定の色に塗装も
されたコンテナがあり。ここに電気窯(大)(小)と灯油窯が納まっていました。
片側の扉を開けて見せていただきます。(こうすると一気に換気も出来る)
電気窯は配線を終え、灯油窯の配管はこれから。燃料代が上がる事が予想
されるらしく、今後は窯の使い分けなど工夫が必要になると仰られていました。

入った途端木の良い香り。以前の工房より
だいぶ狭くなったそうですが、動線を踏まえ、
作業はしやすくなっているように思えました。
棚に並ぶ在庫の数も、スペースに合わせ、
5分の1ぐらいまでに絞り込まれたとか。棚な
ど造作される箇所もまだまだあるそうです。

東側の壁を大きく切り取る窓。その前には3台の轆轤。増田さんが
座られておくった視線の先に、傾いた日に照らされる山頂が遠くに
あり、前景との美しいコントラストを見せていました。光を取り込む
だけの窓にしては大きかった理由はこのパノラマでした。一日の
中でも変化のある景色を、轆轤の手を止め、頭を上げ眺めるひと
時がこれからの増田さんに待っているのですね。羨ましいです…

神奈川と長野を12往復した引越しだったそうです。
窯やコンテナも含めると想像のつかない重量が
移動していることに。(ご苦労がない訳がない・・・)
休まず先を先をみて動かれているご様子もあり。
焼物にも力強さが感じられますが、工房を訪ねて、
改めてタフな増田さんに驚いております。

数をひき、頭ではなく身体で創ることを大事にされ
ている増田さん。作為のない美しいさは、そうした
仕事の繰り返しから生れるものなのでしょう。

今展のお品物は、
お引っ越し前に制作していただいております。

増田勉
1954年 東京生まれ
1977年 日本大学芸術学部美術科 卒業

1;建築前の工房周辺には松や杉など12本の木があったそうです。
 伐採にも加わり、薪割りもご自身で。
2:薪窯築窯に、貫入染をする大きな鍋がかけられる釜戸やピザ窯、
 舗装用にも使えると考えられ、大量のレンガをお持ち。そしてお隣
 の犬4匹と遊ぶフリスビーに釣り用のボートもあります。
3:学生時代は油絵科だった増田さん(なので絵付けもお上手)。再
 び絵を描くお気持ちでいることを知りました。画布をはずしたキャン
 バスの木枠のみが綺麗に束ねられているのを工房で見つけます。
4:イーゼルも発見です。楽しみをたくさんお持ちの増田さんです。

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